今治城 (愛媛県) ― 2015年07月16日 04時42分24秒
名 称 : 今治城 (いまばりじょう) 別 名 : 吹上城 ・ 吹揚城
築城年間 : 慶長7年(1602年)
築城者 : 藤堂高虎
城 主 : 藤堂氏 ・ 松平(久松)氏
形 式 : 輪郭式平城(海城)
所在地 : 愛媛県今治市通町3-1-3
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今治城は、築城の名手、藤堂高虎により慶長7年(1602年)に着工し同9年(1604年)に完成しました。堀に海水を引き入れる日本三大海城の一つで大規模な近世の平城でもあります。また日本で初めて層塔式天守が造られるなど、織豊期の城郭とは異なる革新的なものが認められます。
藤堂高虎は同時期に徳川家康の天下普請に乞われ、各地の築城の縄張りに関与していることから、今治城は徳川系(関ヶ原合戦以降)城郭の雛形と言われています。 築城当時は三重の堀があり、いわゆる総構えの城でありました。城の規模は現在の10倍以上であったと言われています。現存するのは本丸と二の丸、三の丸の城塁と幅約50mの内堀のみで昭和28年に愛媛県指定史跡「今治城跡」に指定されています。
現在の天守は、昭和55年に市制60周年を記念して再建されました。5層6階の天守には、武具・甲冑・刀剣など今治藩ゆかりの品が展示されています。御金櫓は昭和60年に、山里櫓は平成2年に市制70周年記念事業により再建されました。
さらに、平成16年から19年にかけて、今治城築城・開町400年祭の記念事業として、総鉄板張りの鉄御門及び武具櫓、東多聞櫓、西多聞櫓、東西控塀の一連の建造物並びに明治期に取り壊された桝形石垣が市民の寄付により再建されました。 これにより、築城当時の今治城の勇姿が400年ぶりに再現されました。
===現地説明板より===(click..play)
藤堂高虎公は、弘治2年(1556年)近江の国に生まれた。 羽柴秀長、豊臣秀吉などに仕えて宇和島・大洲8万石の大名となり、慶長5年(1600年)には関ヶ原の戦功によって、徳川家康から今治12万石を加増され、伊予半国20万3千石の領主となった。 今治城は、高虎公により慶長9年(1604年)に竣工を見た。三重の堀に海水を引き入れ、舟入りを持つ日本有数の海城である。五層の天守は層塔式で白漆喰が映え、近世城郭のモデルとされた。
築城に合わせて城下に町割りを行い、地名を今張から今治に改め、現代の今治市の原型がつくられた。 築城の名人と称された高虎公は、多くの天下普請の城を築き、慶長13年(1608年)伊勢・伊賀に転封された。 そして大坂の陣のあと、朝廷と幕府間の斡旋役を務めるなど徳川幕藩体制の基礎固めに大きく貢献し、寛永7年(1630年)75年の波乱の生涯を閉じた。
===現地碑文より=== (写真をクリックすると大きくなります)==今治城・南側石垣と内堀==中央の石垣は南隅櫓跡の石垣です。内堀石垣周囲には犬走りがあります。これは藤堂高虎築城の特徴です。地盤が脆弱な場所に築城する際に、圧力を分散させる為に造られたものです。水面に浮かんでいるようにみえます。
二の丸跡の東隅に立つ二重櫓です。この御金櫓は平成2年(1990年)に再建されました。 内部は武具や古美術品が展示されています。
(写真をクリックすると大きくなります)==御金櫓・多門櫓・武具櫓==二の丸御殿跡から鉄御門多聞櫓をみます。往時はこの多聞櫓と二の丸御殿の間に仕切り塀があり二の丸が東西に分かれていました。
(写真をクリックすると大きくなります)==二の丸桝形・多門櫓== (写真をクリックすると大きくなります)==鉄御門==この 鉄御門
この石は今治城で最大の石で、「縦、約2.4m横、約4.6m奥行約0.6m重さ約16.5トン材質、花崗岩」城主の権威を示すために目立つ場所に据えられた巨石(鏡岩)で、今治城の入り口の正面にあります。石の名前は、今治城の築城奉行と伝わる渡辺勘兵衛に因んだもので、江戸時代には既に「勘兵衛石」と呼ばれていました。
(写真をクリックすると大きくなります)==多門櫓・長塀内側(狭間)==左から多聞櫓、中央鉄御門、右隅武具櫓、内堀は幅30間(約60m)もあり二の丸に渡る土橋も長大です。
(写真をクリックすると大きくなります)==二の丸土橋==この土橋を行くと正面に今治城最大の勘兵衛石が目に入ります。左が多門櫓右側が鉄御門入り口そして武具櫓へ続く。
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